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- 函館市中学校英語教育研究会と私 -
以下の文章は「コーナーストーンズ」(北海道教育大学函館校英語同窓会誌
2009)へ桔梗中学校教頭時代に投稿したものです。
はじめに
「仕事は人を育てる」と言われます。事業は社会的に様々な人々と協力し
ないと達成できないのが当たり前で、今日の私があるのも中学校英語研究会
の仕事に長く携わっているからであります。
私が本研究会の刊行部副部長に就任したのが平成62年4月、以来教頭昇
任にともない日高管内静内第三中学校に赴任し函館を離れた3年間を除き、
20年間、本当にお世話になっています。
以下に中学校英語研究会と私の関わりについて述べさせていただきます。
1 中学生の英語への関心を高める様々な事業
中学校英語研究会の3つの大きな事業として、英語暗唱大会、高円宮杯全日
本中学校英語弁論大会道南地区予選大会(以後、英語弁論大会とします)、英
語祭があります。
函館地区の場合は同じ演題(Mother's Lullaby)が多く、個々の発表者が独
自の解釈で聴衆に訴えかけました。
これらの暗唱を通して子どもたちはネイティブの発音に限りなく近づくよう
にCD、英語教諭や英語指導助手の手助けを借り力量を高めておりました。
また、英語弁論大会では発表者が題材を探し、タイトルを練り、ストーリー
の展開を工夫し、どう表現するかに膨大な時間をかけており、毎回印象に残る
大会となりました。
札幌市、旭川市を超える、18人前後が参加するようになり平成13年から
ようやく代表枠が2名になりました。
それでも審査員にとっては頭を悩ませることにかわりはありませんでした。
「自分で文章を考え、英語に訳し、それを自分で大勢の前で表現した。この弁論
にかけた労は君たちの人生にとって最高の勲章です。」
参加者全員に贈ったある審査員の言葉です。こうして参加者は自信を高め、さ
らなる活躍につながっていきました。
英語祭は多彩な演目で英語に触れる機会を増やし、生徒の英語への興味関心を
高めてきました。
私自身も剣道部の生徒にジャズチャンツを仕込み参加させました。「なぜ、出
るの?」の問いには「試合に出ても臆しない度胸をつけるためだ」と伝えました
が、終わってみるとおもしろかったと言っていました。
北野たけしの「座頭市」の前に劇で座頭市をやらせました。高校の面接で英語
の成績が低いのになぜ得意とあるのかと問われた生徒は時に、「自分は英語劇が
得意なんです」と返答しました。
このように英語祭は英語の敷居を低くし、英語好きの裾野を広げていると言え
ます。
2 外国人ゲストおよび審査員との出会い
私が初めて英語指導助手の方とTTをしたのは、初めて渡島教育局に英語指導
助手として任に就いたイブ・ホルタマン女氏でした。以来、ピーター・キーン氏、
アーサー・マセソン氏、ディビッド・イング氏、ナイジェル・クーパー氏、クリ
ストファー・テイバー氏、ドナルド・ミラー氏、ロバート・ヘクター氏などと組
んで授業をしました。
この出会いも貴重なものです。我が家の新居祝いに招いたり、一緒に飲みに行
ったり、今でもつきあいが続いている方もおります。
彼らの生徒へのインパクトは強烈であり、刺激そのものです。そして、彼らと
の授業の指導案などをまとめたのが平成6年から発刊された函館市教育委員会
「国際時代における函館の英語教育」です。
中学校英語研究会はこの発刊にも積極的に関わってきました。
3 授業研究会の実施
中学校英語研究会では毎年1回授業研究会を開催し会員相互の力量を高める機
会としています。
自分の授業を見せることで自己の指導について客観的に評価してもらえる機会
となります。
また、その経験は今後の英語教師としての揺るがない自信にもつながります。
臆せずに挑みましょう。他の会員にとっても、貴重な示唆を与えるものであり、
万難を排して参加する価値があると言えます。
4 夏季・冬季研修会の実施
1年に2回の研修会を実施しています。会員はもちろんですが高校の先生や教
科書の編集に携わった方などを講師に呼び、会員同士のワークショップや教科書
の構成について理解を深めたり、効果的な活用などを交流できます。
また、市内をブロックに分け、当番となったブロックからの提言もあり、授業
に生かせるプリントや各種資料が紹介されます。まとまった時間がとりやすい夏
休みや冬休みの始めに開催されるので、研修意欲を高めるのにはもってこいです。
5 「英研会報」「英研だより」の発行
本会では、研究活動の記録・集約と、広報活動の充実を図ることを目的に刊行
部が「英研会報」(年1回発行)と「英研だより」(年数回)を発行しています。
1年を振り返った会長の挨拶から退職教員の教職生活を振り返っての手記まで、
非常に感慨深い文章が載っています。会員相互の情報交換としてもとても価値が
あります。
おわりに
函館市にもどり2年目を迎えました。中学校英語研究会の副会長としては、本会
が気さくに語りあえる場となることを目指します。
デニムの生地のように、先輩諸氏から新採用教諭までの縦糸と、異なる学校間
(中学校同士はもちろん大学、高校や小学校)の各先生の横糸をうまく紡ぐことで
函館市の英語熱はさらに高まると信じています。
中学校英語研究会の仕事は余分な時間を費やしますが、事業を通して様々な人と
の出会いが思わぬ形で授業に生きてきます。「急がば回れ!」のタイトルの由来は
ここにあります。
「井の中の蛙」に甘んじることなく、活動の中に身を置いてみましょう。それが
自分自身を高めてくれることにきっとつながるはずですから・・・。
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よろしくお願いいたします。