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北海道教育大学附属函館中学校授業研究会に参加して
研究主題
「学習指導要領に定められた目標等の実現状況を把握
するための評価方法についての研究開発」
研究仮説
パフォーマンス評価等の工夫により、学習指導要領に
定められた目標等の実現状況をより適切に把握するこ
とができる。
生徒の学力は見えにくいものであり、ペーパーテスト
等を通して把握することのできる学力は、ほんの一部
でしかないということ。
そして本来、生徒の学力は、学習活動の中で徐々に高
まり、浮つ沈みつしながら表出してくるものであると
いうこと。
研究の視点
1 表出した学力(特に「思考力・判断力・表現力」
「関心・意欲・態度」)を適切に把握する。
2 学力(特に「思考力・判断力・表現力」「関心・
意欲・態度」)を表出させ、適切に把握する。
研究・実践の方向性
(1)結果だけでなく学習課程を重視した学習評価を
行う。
(2)学習者の様子を静止画(ペーパーテスト等)の
みでとられるのではなく、常に動きのあるもの
としてとらえられるよう評価方法や評価のタイ
ミングを工夫する。
(3)学習者に対して長期的に評価を行っていくこと
も視野に入れる。
英語科での評価方法
試行した主な評価方法
・ビデオ映像
・ストーリーテリングに関するポートフォリオ
その評価方法で見取りたい力
「話すこと」における外国語表現の能力
教科研究仮説
・「話すこと」「書くこと」の学習活動を工夫し、
その活動と一体となる評価方法を研究することにより
生徒一人一人の学習状況を的確に把握することができ
る。
ディベートに関する前段階指導の実際(試行)
<目標>
・「聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと等のコミュ
ニケーション能力の基礎」をバランスよく育成する。
・与えられた題材を用い初歩的なディベート、ディスカッ
ションを通して意見を論理的に構築する能力を養う。
4月から当日までの指導の流れ
各単元のパフォーマンス課題におけるディベート、ディス
カッション課題の位置づけと関連
5月 教材A
実際のニュースに関してのコメントを考え感想を発表する
6・7月 教材B
賛成・反対どちらかの立場を選び、意見を用語を使って書く。
教材C
同じ方向性の意見を持った生徒同士、用語を用い、一貫性の
ある文になるように意見を連結させる。また、反駁の意見を
考えてみる。
9月 教材D
賛成・反対両方の意見を考えさせ、また他生徒方反駁の意見
を受け付け、反駁に対する反駁の意見を考えさせる予想原稿
を書かせる。
10月 本時
グループディベートを行う
<インプット教材作成活用について>
(1)生徒から関心のある社会事象についてアンケートをとっ
たり、ALTと協力しながら、教科書、英字新聞、ニュース、
DEVATING THE ISSUSE-Opposing Views on Value Topics等を
参考にしている。
(筆者による加筆:教材A「生肉事件」、教材B「原発事故」、
教材C「CGIによるCM」、教材D「ヴォルトのフライング」)
(2)予習として資料を読ませ、簡単な英問英答をし、内容を
読みとらせる。
(3)予習として本文内の語句をコロケーションごとに区切った
ものを暗唱等させ、内容を理解させる。
(4)インプットの際、正確な表現を身につけさせるため、語彙
の発音練習や日本語による指導も行った。語句の難易度にかかわ
らず、ディベートやディスカッションで必要と思われるものにつ
いて指導した。
当日用いた評価基準(以下の3つについてA,B,Cの3段階評価)
・一貫性がある
・相手に伝わるように、言い方を変えるなど工夫しながら積極的
に話す。
・用語を使っている
自己評価
自己評価も上と同じ基準で行う。
本時はALTが発表を聞き、発言趣旨をパソコンで入力した。
1つのグループが終了した時、コメントを加え評価を伝えた。
他の生徒はディベートを聞いて、評価を行う作業をしていた。
前半終了時に最も優れた発言者を選ぶような指示があった。
後半も同様。
授業について
ボールを生徒に投げ入れ、受けた生徒とマンツーマンでのQ&A。
最初は福留先生が、次にポップハム先生が質問した。
何が聞かれるかドキドキだけど、スピーディな展開で和やかに。
Why?の後で自分の意見を答える。(既習事項の確認)
いつもの事のようで、生徒はリラックスし、コミュニケーションを
とりやすい雰囲気づくりの工夫が見られました。
2つの班が賛成と反対に分かれる。どちらの意見になるか、また、
何がトピックになるのかはその場で班長が取り出したボールの色
で決まる。(その場にならないとわからない)
少し準備時間をとって、いざ、ディベートへ。
大勢の先生達がいる前での発表でしたが、それぞれが自分の意見を
述べていました。
声が小さかったり、意味が不明の時はポップハム先生からお呼びが
かかる・・・。O.K.が出た後、ディベートに復帰します。
一貫性があったか?
「使うべき用語リスト」にある表現をきちんと言えたか?
相手に伝えるための工夫は?
上の観点でポップハム先生が審判します。
良い点と努力して欲しい点が伝えられます。
先生のコメントは次に向けてのやる気を喚起するものでした。
状況に応じ福留先生が日本語でアシスト。
2人の先生のコンビネーションも見事でした。
授業後の話し合い
・中2でもこのようなハイレベルのディベートができるのですね。
・パソコンとプロジェクターを効果的に活用しています。
・意見を作成するときに和英辞典を使うが、その時の注意点は?
・英和辞典の利用の指導はどのようにしていますか?
・eye-contactの大切さはきちんと伝えたほうがよい。
などなど、短時間ではありましたが活発な質疑応答がなされました。
前半は宮野先生による研究紀要の説明でしたが、過去の流れと新学習
指導要領の内容を見据えた研究について理解できました。
共同研究者の星野立子(教育大学准教授)からは思うように言えなか
った生徒への2人の教師の抜群の支援体制への賞賛と評価に納得でき
ない生徒がいた場合の対応についてご自身の経験をもとにしたアドバ
イスがありました。
助言者の青木順一渡島教育局指導主事からは指導要領改訂のポイント
について、ていねいな説明がありました。
そして、4技能をうまくミックスしている授業構成が参考になったと。
秋晴れの研究会は実りの多いものとなりました。
また、来年に向けてお互いに切磋琢磨しましょう!
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よろしくお願いいたします。